海士で出逢った友よ ①

Aさん、風邪は治りましたか?

先日、視察旅行の宿で同室させていただいた時にゴホンゴホンと咳き込んでいたのが気になります。おせっかいとは思いましたが、煎じ薬をお作りしました。送りますので、苦いですが、少し試してみてください。

Aさんのことが気になったのは、風邪で咳き込んでいたからだけではありません。人生のタイミングとでもいうのでしょうか。あなたが僕たちの旅に合流されたのは、ちょうど海士町長から胸筋を開いたざっくばらんなお話を聞いた直後のことでした。あの時のあなたの残念で悔しそうな顔が忘れられません。後で幹事さんから聞いたのですが、経営するお店の人の段取り変更のため集合場所へ来れず、お一人で高速艇を使い菱浦港までやってきたところだったのですね。人格者の町長さんが帰ったすぐ後の興奮さめやらない空間でした。

島の風景

「約束を守り、協力者を得る」

これは僕が今年のはじめに、自身の行動目標に掲げた「言葉」です。今回のあなたの行動は、なんだか僕の目標にピッタリの行為だったのです。実は先週の視察旅行に当初、僕は参加する予定でありませんでした。塾津山での時間は、仕事がら自由のきかない僕にとって貴重な体験ばかりです。去年11月の「全国若手ものづくりシンポジウムin津山」では、みんなで共通の目標に向かい、力を合わせ成功させるという「実体験」をさせてもらいました。毎月の勉強会も、経営のためになるワークショップばかりだと実感しています。ですが、島根の海のむこう「隠岐の島海士町」はあまりに遠く、スタッフの問題、薬局増築の方向性、資金繰りの検討、様々な課題を抱える僕が参加できるはずもありませんでした。海士町に関するアンケートに記入したつもりが、参加の意向表明をクリックしていたのです。

視察旅行の計画が盛り上がっていく途中で、手を下ろすことは出来たと思います。しかし今年の僕は、相手と一度した約束を必ず守る人でいようと心に決めていました。今回そういう背景があって、関塾のみんなと行動を共にしていたのです。そこに遅れて息を切らしながら現れたのが、Aさんあなたでした。

海士町の青海

きれいな海の写真をながめています。

この視察旅行が、これからの人生観を変えてしまう様な体験になるとは、あの時の僕はまだ何も気づいていませんでした。

《この続きは明日》

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