医療とは何か

薬局近くにある更生施設の管理人さんから、彼らがお世話している方々の薬についての相談がありました。

「(刑期を終え)刑務所から出てきて、誰も(組も家族も)引き取り手のない高齢者のクスリって僕たちの難題のひとつです。市役所にいって医療費免除申請しても難しいケースが増えてます。仕事もないので国保に入ることも難しいし、入れたとしても初診3割負担だと医者代金もバカにならない。警察も刑務所から出るまでしかクスリの面倒見ないし、その時の所持金は10年以上刑務に服したとしても2万円程度(時給2円)です。あとは彼らの命も、あるがままです・・。」

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覚せい剤違反者や恐喝問題があった入寮者たちのお話を、ゆっくり時間をかけてお聞きしました。僕は仮にも税金(社会保障の制度)でスタッフ一同食べさせてもらってる会社のオーナー。

「相談してくださってありがとう。石〇さん、状況はよく分かりました。刑務所でもらっていたクスリの情報をお教えください。僕は医者ではありませんから診断はできません。もちろん注射もできませんが、クスリに関して出来ることはあります。上手に薬を選びさえすれば、無償で提供できる医療はあります。その方が亡くなるか、僕たちの会社がつぶれることがあるか、どちらが先かわかりませんが、最期まで付き合いましょう。病院でもらうクスリって、薬局で(全てではありませんが)提供できるようになっているのです。」

実際、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、その他関連業種、補助業務従事者に支払われる技術料に関する対効果費用(医療経済)の問題はもっと議論されるべきだと思っています。

あなたのお子さんが、医療費無料の枠組みで、気楽に病院にかかってたとしましょう。一本のステロイド軟膏をたった5グラムもらうため、税金がいったいいくら使われているのでしょうか?

まず診療所で診察を受け病名を判断してもらうため、窓口で1800円支払われます。その後薬局で処方せんに従って薬の棚から袋に入れてもらいます。この行為だけで1000円支払われています。ステロイド軟膏の値段は400円なのに、トータルで3200円もの税金が使われている。乱暴な計算ですが、国民皆保険の医療ではザックリこんな感じです。薬局から実費で買えば500円程度のものが・・・。

本当に命が危ぶまれるような状況で薬剤の安全安心な提供を受けられない方がいる一方で、相互扶助の精神が医療ビジネスに大きく歪められている現実。在宅、在宅って内容無く空騒ぎしている薬剤師会。患者さんの不安をあおってるだけのバイタルチェック。その意味のない行為に、あなた方の税金がどれだけ使われているのか?

医療に関しTPPの問題を考える前に、このことを国民ひとりひとりがしっかり考える時期に来ているのだと思います。

精神医療でも歪みの構図を書いたことがあります。今回の記事で耳が痛い方こそ、どうかお読みください。そして、どうか僕のことを嫌いになってください。

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